2025/04/04 18:00
前回のブログでは、紫砂壺は特に発酵度の高いお茶や、焙煎のしっかりしたお茶と相性が良いことをお伝えしました。たとえば烏龍茶(特に岩茶や鉄観音など)や、熟成されたプーアル茶が代表的です。
今回はその中でも「烏龍茶」を紫砂壺で淹れることを想定して、基本的な淹れ方をご紹介していきます。

基本的な淹れ方
茶葉の量とお湯の温度はどのぐらい?
一般的には、茶壺の体積の1/3〜1/2ほどの茶葉を使います。「1/3〜1/2」と言われても、なかなかピンとこないかもしれませんが、目安としては“茶壺の底が見えなくなる程度”がちょうど良い分量です。茶葉をたっぷりと使うことで、紫砂壺ならではの“濃さと深み”を引き出すことができます。
お湯の温度は、烏龍茶の場合95〜100℃の熱湯が適しています。
お湯の量と抽出時間の目安はどのぐらい?
茶壺いっぱいに熱湯を注ぎ、ふたを閉めた後、上からさらに熱湯をかけて茶壺全体を温めます。これは外側からも温めることで、壺の中の温度を一定に保ち、より均一にお茶を抽出するための大切な工程です。
まるで紫砂壺が湯浴みをしているようで、眺めているとなんだか可愛らしく感じてしまいます。笑

紫砂壺で淹れると何煎までお茶を楽しめるの?
紫砂壺と相性の良いお茶は、3煎〜8煎、ものによっては10煎近くまで楽しむことができます。味が薄くなるまで、ゆっくりと丁寧に、少しずつ変化していく香りと味わいを楽しんでみてください。
紫砂壺のお手入れ方法
使用後の基本のお手入れ方法
お茶を淹れ終えたら、茶殻をしっかり取り出し、ぬるま湯または水で丁寧に洗います。このとき、スポンジやタワシ、そして洗剤は使わず、手で優しくなでるように洗ってあげましょう。
というのも、紫砂壺には目に見えないほど細かな気孔(穴)が無数に存在しています。洗剤を使ってしまうと、その穴に成分やにおいが染み込んでしまい、次に淹れるお茶の風味を損なってしまうことがあるのです。
洗い終わったら、しっかり水気を切り、通気の良い場所で自然乾燥させましょう。湿ったまま放置してしまうと、カビの原因にもなってしまいます。
やってはいけないこと
❌洗剤や漂白剤の使用
❌茶殻を長時間放置
❌湿ったままの状態で蓋を閉めて保管
これらはすべて、紫砂壺にとってダメージになる行為です。せっかく育ててきた茶壺の風合いや香りが台無しになってしまう可能性もありますので、日々のお手入れはぜひ丁寧に。
私のちょっと恥ずかしい体験談
毎日お茶を淹れていると、たまに紫砂壺を洗い忘れてしまうことがあります。蓋をしたままだと中に茶葉が入っているのを忘れてしまい、茶盤の上で美しく佇む姿にすっかり油断してしまうんですよね。
あるとき、1週間ほど旅行に出かけて、帰宅後に久しぶりに紫砂壺でお茶を淹れようとしたら……蓋を開けてびっくり!中にはカビがびっしりと…しかもふわふわした胞子がわんさかと……(涙)
さすがにこのときばかりは、洗剤とスポンジを使って丁寧に洗いました。笑
みなさんも同じことが起こらないように、使い終わったらすぐに洗って、自然乾燥を習慣にしておきましょう。小さな積み重ねが、紫砂壺の美しさと味わいを育てていくことにつながります。
紫砂壺は、単なる茶道具ではなく、暮らしの中で育てていく存在です。丁寧にお茶を淹れて、丁寧にお手入れすることで、あなたのお茶時間がより豊かに、そして美しくなっていきます。
ぜひ、日々のお茶時間に紫砂壺を取り入れてみてください。
なお、現在haruhanaでは紫砂壺の入荷を進めており、入荷次第オンラインストアにてご紹介予定です。ご案内できる日まで、もうしばらくお待ちいただけましたら幸いです。